小規模多機能型居宅介護開始までの流れ
ここでは、小規模多機能型居宅介護の指定を受けるためのスケジュールについて解説していきます。
STEP1:会社を設立する(事業目的の変更)
介護事業を始めるためには、必ず法人格であることが条件となります。法人格でない場合は、最初に会社設立手続きを行います。
すでに法人格をお持ちの場合は、会社の事業目的欄に、
「介護保険法に基づく小規模多機能型居宅介護」
という文言が入っているかを確認して下さい。入っていない場合は事業目的の変更登記を行います。
STEP3:事業所を準備する
小規模多機能型居宅介護を開設するためには、事業所を用意しなければなりません。さらに、事業所には事務スペース以外にも居間、台所、食堂、浴室、宿泊室、消火設備等必要となります。
なお、事務所の賃貸借契約時には以下の事項に十分にご注意下さい。
- 事務所の契約者は必ず法人名で行うこと。(個人名義では、受理されません)
- 契約書の使用目的が『事務所』となっていること。
また、自宅を事業所にすることも可能ですが、厳格な要件をクリアする必要がありますのでご注意下さい。弊社でも確認させて頂きますので、この場合は、遠慮なくお申し付け下さい。
STEP4:人員を確保する
小規模多機能型居宅介護には、管理者、計画作成担当者、介護職員が必ず必要となりますので、これらの人員を確保していきます。
人員は最終的に雇用できれば問題はありませんので、この時点ではとりあえず雇用契約書を締結しておくようにして下さい。
資格証等も必要となりますので早めに預っておいて下さい。
STEP5:事務所備品を準備する
小規模多機能型居宅介護の指定申請の時点で「いつでも小規模多機能型居宅介護を運営できる状態」である必要があります。
これを証明するため事務所内部の写真の提出が必要となります。
必要となる備品類を下記に列記致しますので、準備品のチェックを行って下さい。
- 電話機・FAX機(一体型で問題ありません)
- パソコン・プリンター
- 書類を保管するための「鍵がかかる書棚・書庫」
- 事務スペースに設置する机・椅子
- 相談スペースに設置する机・椅子
- パーティーション等のついたて(必要な場合)
電話・FAX番号も指定申請時には必要となりますのでご準備下さい。
STEP6:いよいよ申請書類の準備
ここで、ようやく指定申請を行うための書類を準備していきます。
詳しくは小規模多機能型居宅介護の必要書類をご覧ください。
都道府県の違いや個々の状況によってその他必要となる書類が発生することもあります。ご注意下さい。
STEP7:申請書類の提出
管轄の行政(市町村)へ申請書類を提出します。提出書類に不備等がなければ受理されます。
ご自分で申請される方は、1回で問題無く受理されることは難しいので、念のため数回は訪問されることをご留意ください。
補足事項:助成金や融資申請
上記のSTEP7までが小規模多機能型居宅介護指定申請の流れですが、この他に助成金の申請や金融機関への融資申請をご検討の方は前もってお申し付け下さい。
助成金申請は、会社設立前や従業者雇用前に手続を行わなければならないものも多く、申請時期を逃してしまい受給できなかったケースも多くみられます。
<利用可能な各種助成金━例示>
- 介護基盤人材確保助成金
介護関連事業主が、新サービスの提供等に伴い、特定労働者を雇い入れた場合に、対象労働者1人あたり上限70万円まで助成される制度です。介護事業を始める1ヶ月前までに最初の申請を済ませておく必要があります。 - 介護未経験者等確保助成金
介護関係業務の未経験者を雇用し、1年以上継続して雇用することが確実であると認められる場合に助成される制度です。雇入日から6ヶ月を満了した日の翌日から起算して1ヶ月の間に、都道府県労働局に対して助成金支給申請を行います。 - 受給資格者創業支援助成金
雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業後1年以内に従業者を雇用し、雇用保険の適用事業の事業主になった場合に、助成金が支給されます。会社設立前に助成金の手続申請(法人等設立事前届の提出)が必要になります。
助成金申請は、手続において必要となる書類関係が膨大な量となります。当事務所では、提携の社会保険労務士と協力体制でお客様をサポート致します。介護事業を始められる前に、ぜひご相談ください。