ショートステイ(短期入所生活介護)
ショートステイ(短期入所生活介護)とは、要介護者が特別養護老人ホーム又は老人短期入所施設に短期間入所し、その施設に於いて入浴、排泄、食事等の介護、その他日常生活上の世話及び機能訓練を受けることを言います。
例えば介護者が「体調を崩してしまった」「何日間か介護から解放されてリフレッシュしたい」「冠婚葬祭で数日家を空けなければならない」などの場合に、24時間対応のデイサービスが無いために利用される施設となります。
原則として20床以上のベッド数が必要とされ、現実的には特別養護老人ホームがショートステイのベッド枠を設けているというのが現状です。
介護保険の事業者としてサービスを提供するためには、都道府県から事業者指定を受けることが必要です。
ショートステイ(短期入所生活介護)の開設要件
ショートステイ(短期入所生活介護)を開設する場合には都道府県の介護保険法上の事業者指定を受けなければなりません。
「ショートステイ(短期入所生活介護)」の許可を受けるための要件は下記に記載の要件となります。
要件① 申請者が法人格を有すること
個人事業ではショートステイ(短期入所生活介護)の指定を受けることができません。
株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人等の「法人」が申請者であることが指定を受けるための大前提となります。
また、すでに会社組織である場合は、『定款の事業目的』と『登記簿謄本に記載されている事業目的』を確認して下さい。
定款や登記簿謄本に記載する事業内容が、介護事業の場合あらかじめ決まっています。
ショートステイ(短期入所生活介護)を行う場合は、現在経営している法人の定款に、
「介護保険法に基づくショートステイ(短期入所生活介護)」
というように、「介護保険」を利用した「短期入所生活介護(ショートステイ)」ということを事業内容として追加しなければなりません。
このように記載されてない場合は、定款・登記簿謄本の事業目的の変更手続を行う必要があります。
要件② 人員基準の確保
必要な人員については、介護サービスの種類ごとに異なりますので、ここではショートステイ(短期入所生活介護)で必要な人員について解説します。
管理者
専従で常勤の方1名を管理者として配置する必要があります。
〔管理者の資格要件〕
資格要件は特にありませんが、従業員及び業務の管理を一元的に行うことが出来、従業員へ指揮命令を行うことが出来る必要があります。
サービス提供者を配置すること
① 医師・・・1人以上(非常勤でも可)。
② 生活相談員・・・常勤換算で利用者10人に対して1人以上。
③ 介護職員または看護職員・・・常勤換算で利用者3人に対して1人以上。
④ 栄養士・・・1人以上。利用定員40人を超えない場合は、状況により配置不要。
⑤ 機能訓練指導員・・・1人以上。
⑥ 調理員その他の従業員・・・実情に応じた適当数。
要件③ 設備に関する要件を満たすこと
ベッド数
20床以上設置し、専用の居室を設けることが必要です(併設施設で行う場合は特例として20床未満でも可)。
設備
居室、食堂、機能訓練室、浴室、便所洗面所、医務室、静養室、面接室、介護職員室、看護職員室、調理室、洗濯室又は洗濯場、汚物処理室、介護材料室、その他必要な設備を設けること。
面積等
① 居室(特別養護老人ホームの基準と同様)
居室定員=4人以下
居室床面積=利用者1人当たり10.65㎡以上
② 食堂及び機能訓練室
合計面積が利用者1人当たり3㎡以上
③ 片廊下の幅1.8m以上、中廊下の幅2.7m以上
その他の注意事項
事務所については必ずしも会社が所有しているものでなく、賃借しているもので構いませんが、賃貸借契約は必ず法人名義で行ってください。
例えば社長個人の名義などは不可です。また、使用目的は必ず事務所である必要があります。
もし住居等になっている場合は、契約書を訂正してもらうか、所有者から承諾書をもらう必要があります。